教育費をだしたら贈与??

2021年4月28日

建物や株、様々な相続税の財産評価

孫の教育費負担は贈与になるの?

子供の教育費を祖父に負担してもらっているときは贈与になるのでしょうか?教育資金として一括で贈与する際は教育資金一括贈与という制度があります。これには特別な非課税枠が用意されていて父母や祖父母から、30歳未満の子や孫に対して教育資金を一括贈与した場合、受贈者1人につき、1,500万円までなら贈与税はかかりません。

例えば、孫が4人いれば1,500万円×4人=6,000万円の資金を非課税で贈与できます。具体的なやり方は、信託銀行などに専用の口座をつくり、そこに贈与金額を一括して拠出します。そして、金融機関などの窓口で教育資金として支払われたことが領収書などによって確認された金額が教育資金贈与額になります。

注意したいのは、1,500万円の枠は受贈者1人に対するものなので、誰かがこの制度を利用して、ある孫に1,500万円を贈与してしまうと、ほかの人はその孫に贈与できなくなります。例えば、父側の祖父母が1,500万円を贈与すると、母側の祖父母は贈与することができません。この制度は評判よく、もともとは平成25年度の税制改正で「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置として創設されました。

通常1,500万円を贈与すると366万円(もしくは450万5,000円)の贈与税がかかりますが、教育資金の一括贈与を使えば、贈与税はかかりません。この制度は、一気にまとまった額を贈与することができるので、大きい節税効果が得られます。孫やひ孫がいて、元気なうちに一気に財産を贈与したいと考えている方にはお勧めの制度です。

なお、この制度の特例を受ける受贈者は、教育資金の支払いにあてた金額が証明できる領収書などを金融機関に提出する必要があります。注意点は、1,500万円は金額が大きく、使い切れないと贈与税がかかり節税にならない可能性もあります。ですから教育資金一括贈与は、医学部に入る人、海外留学をする人、芸術やスポーツの道に進む人など高額の教育費がかる人に向いていると言えます。

もう1つが教育資金をそのつど贈与する方法です(暦年贈与と言います)。必要なときに必要な教育資金を贈与する、通常の贈与です。ただ特別な非課税はなく110万円までの非課税枠のみです。まとまった金額を贈与する必要がないなら、そのつど贈与をする暦年贈与でも十分です。

教育資金として認められるものの一例は下記の通りとなります。
  • 入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費
  • 入学、入園のための試験にかかる検定料
  • 在学証明、成績証明などの手数料、ランドセル、通学かばん、教科書、制服、その他の学用品の購入代金

借金の肩代わりは贈与税がかかる?

事業に失敗し借金を返せなくなったので、親に肩代わりしてもらいました。その分の贈与税はかかるのでしょうか?
借金の肩代わりをしてもらうと原則としてみなし贈与になり、贈与税がかかります。ただし、もらった人が債務超過などで、明らかに返済能力がない場合はみなし贈与にならず、贈与税はかかりません。

みなし贈与とは、本来の贈与ではないが、贈与があったものとみなして贈与税を課税するという税法上のルールです。本来の贈与ではないため、贈与という認識がないことが多く、突然贈与税の支払いを求められて青ざめるケースもあります。

親が借金を肩代わりしてもみなし贈与にならなかったケースを見てみましょう。
子供が事業に失敗し、借金を返せなくなったので、親が肩代わりした場合でも、子供に返済能力がないと認められればみなし贈与にはなりません。また、子供がギャンブルにのめり込み、サラ金にはまって500万円の借金をつくりました。督促の電話が毎日かかってきますが、子供にはもちろん預貯金もないし、定職にもついていません。この場合、親が借金を返済しでも贈与税はかかりません。子供に返済能力がないと判断できるからです。

一方、贈与を受ける人に余裕があるにもかかわらす、借金の肩代わりをするとみなし贈与となり、基本的に贈与税がかかります。例えば、生活に因っていない子供の住宅ローンを、親などが全額あるいは一部の住宅ローンを支払ったケースです。子供が2,000万円の住宅ローンを借り、親が全額返済したとします。これは親が子供に2,000万円贈与し、子供は贈与分で住宅ローンを支払ったことになり、贈与税がかかります。贈与税がかからないのであれば、申告する必要はありません。

しかし、親が亡くなって相続が起きたとき、親が肩代わりをしても借金は返済できたと税務署がわかると、贈与あるいは貸付とみなされてしまいます。

親からの借金の利息を払わないと贈与税の対象?

事業をはじめる際に親から借金をしました。毎月定額を返済していますが、利息は払っていません。利息分は贈与になりますか?
親からお金を借りたときに、それが贈与になるのか貸付金になるのかは、返済をしているかどうかで区別されます。質問の場合、毎月定額を返済していますから、貸付金ということになります。

借金ですから、本来は利息をつけて返すことになるのですが、税務署は課税上、弊害がない限り、利息をつけなくてよいとしています。弊害がない限りというのは利息を払わないことによる金額がどれくらいあるかというもので、税務署の主観的な判断によります。

ですが、たいていの場合、親子での貸し借りはさほど高額になりませんし、月々返済していれば、利息までとることはないという判断になります。親から出世払いでいいよや儲かったときに返してなどといった場合には、状況によって借金を返さなくてもよいというケースもあるでしょう。これは、本来のお金の貸し借りではありません。よって借入金そのものに対して、贈与税がかかる可能性があります。

もし、全額が贈与とみなされた場合には、多額の税金が発生することになりますのでご注意ください。厳密にいうと出世払いには2つの意昧があります。1つは返さなくていいよというケースなり贈与税がかかります。もう1つは出世したら返しなさいというケース、こちらは貸付です。

贈与とみなされないためには、貸し借りがあった証拠をつくることが肝心です。金銭の借り入れであれば、銀行からの借入金と同様に、まずは借用書を作成して借り入れた事実と返済条件を明確にしましょう。そして借用書の記載どおりに約束を守って実行し、記録として残るようにしておくことが大事です。