葬式での注意や遺言に注意

2020年12月10日

葬式での注意や遺言に注意

お通夜や葬式での注意点は?遺言書の有無で相続は変わるの?というテーマを解説します。相続税では葬式費用は経費にできますが領収書が必要、遺言書の有無でも手続きや行動が変わります。東京都大田区蒲田のシトラスベルから相続の解説をさせていただきます。

お通夜やお葬式で注意すべきことは?

父が亡くなってこれからお通夜とお葬式を行いますが相続税ではこれらの費用を経費として扱って財産からマイナスできます。気をつけるべきことを解説していきます。

相続税ではお葬式関連の費用を相続財産から債務として控除できます。つまりその分相続税の支払いが少なくて済むため、多ければ多いほど相続人の方としては有利に働きます。しかし2つご留意していただきたいことがあります。

1つは領収書の保管・支出額のメモです。葬儀関連の費用で領収書が発行されているものがあれば明細とともに保管しておきます。保管した領収書は相続税申告の作業で使用します。ただ、相続税の申告において領収書の添付は必ずしも求められず、支出の事実・時期・支出先がわかるメモがあれば十分です。

しかし領収書があればメモする手間が減りますし、支払ったことの証明力も高いため、領収書の保管をお勧めします。お布施、参列者のお車代、台所方の出費などは領収書が発行されないケースが多いです。このような場合は債務控除できるように必ずメモをとりましょう。

2つ目は債務として控除できるものとできないものを大まかに把握することです。細かい部分は税理士等の専門家に任せてよいのですが、大まかに把握できれば、そもそも相続税申告が不要かどうかを自分で判断できる可能性が高まります。こちらに関しては相続税の大まかな計算1段階目相続税の大まかな計算2~3段階目を参照してください。

控除できないものをいくつか紹介します。まずは香典返しの費用です。社会通念上相当な香典を受け取った場合は税法上贈与税の課税対象とならないため、香典返し費用も相続税では控除できません。
ただし香典返しとは別に会葬御礼として渡す場合は控除できます。また初七日・四九日法要の費用も原則控除できません。

ただし、例外があります。最近では家族や親族が遠方に住んでいることが多いことから初七日を告別式と同時に行うケースが増えてきています。その場合告別式と初七日を明確に区分できなければその費用はお葬式費用として扱われ債務として控除できます。

遺言書の有無で相続は変わる?

税務調査当日から最終日まで

遺言書があるかないかによって、相続は大きく変わります。具体的にどのような違いが出るのでしょうか?

被相続人(親)が亡くなったあと、さまざまな手続きを済ませたら、相続の準備をはじめます。そのとき、最初に行うのが遺言書の確認です。遺言書があるかないかによって、相続の進め方は大きく変わります。

遺言書とは、被相続人(親)が、自分がいなくなったあとで相続人(子供たち)がモメないように、自分の財産を「誰に、何を相続させるか」を書面で明らかにしたものです。遺言書には3種類があります。

遺言書があった場合、相続時の遺産の分け方は、遺言書の記載を最優先にします。遺言書に従って遺産を分けることで、相続人同士で誰がその財産を受け継ぐのか話し合う必要がなくなり、相続は比較的スムーズに完了します。
しかしながら、現実は遺言書が見つかるケースは多くはありません。遺言書があるケースは全体の10%程度といわれています。

なぜ遺言書を書く人が少ないのでしょう?遺言書を書くことは、自分の死を考えることだからです。人間はいくつになっても死を直視したくないものです。また、遺言書を書くと、財産の分割をめぐって子供を不平等に扱うことになり、それが嫌だという人も多くいます。そのような親の心情を考えに、子供から「早く遺言書を書いておいてほしいなどと一方的に言うべきではありません。

遺言書がない場合、誰が何を引き継ぐのかは、相続人全員が話し合って決めることになります。この話し合いを遺産分割協議と言います。
遺産分割協議では、相続人の思惑が飛び交うため、「相続争い」が起こりやすくなります。強い絆がついていたはずの家族が、親の財産をめぐって争うこともまれではありません。
こうした状態は、争族などと表現されます。

相続において、遺言書の内容は「最優先される」と言いました。遺言書通りになると言わなかったのには理由があります。遺言書の内容が、相続人全員のことを考え、「家は妻に、預金は長男に、株式は長女に相続させるなどというバランスのとれたものであれば、残されたほうも納得できるでしょう。

ところが財産はすべて愛人に相続させるなどと書かれていたら、残された家族はまったく財産がもらえなくなってしまいます。そこで民法では、被相続人(親)がどのような考えでも、一定の相続人が最低限相続できる財産を遺留分として定めています。財産は被相続人(親)の意志で相続させることができますが、相続人にも一定の財産を取得する権利を保障しているのです。遺留分は相続人ひとりひとりに認められた権利ですが、請求しないと戻ってきません。

また用語の意味などは遺産分割や遺言ってなんだろう?を是非みてみてください。

信託契約をしていたら?

例えば、母親が子供に「このお金で今日の夕飯のおかず買ってきてちょうだい」と言ったとします。これは一種の信託です。家族で食べる大事な夕飯のおかずを得るために、母親は子供を信じて託したわけです。信託行為は、日常生活でも頻繁に行われているのです。つまり夕飯のおかずを子供に信じて託したわけです。

登場人物としては「A委託者」「B受託者」「C受益者」がいます。Aは財産の所有者、Bは財産の管理・処分・運用を行う者、Cはその財産の管理・処分・運用から利益を受け取る者です。例えば先の例で言えばAが母親、Bが子供、Cが夕食を食べる家族といったところでしょうか。

「商事信託」と「民事信託」という用語もよく耳にすると思います。この違いは、この登場人物「B受託者」にあるのです。受託者が営利目的で事業をしている信託会社であれば「商事信託」と言います。
一方受託者が営利を目的としていない個人である場合を「民事信託」と言います。特にこの受託者が委託者の家族である場合は「家族信託」と言われています。

実務的によくあるのはこんなケースです。賃貸アパートの所有者である父親が、高齢になって意思決定が段々難しくなってきました。息子さんは元気でアパートの管理に興昧があります。しかし、父親としてはアパート賃料を自分の生活費として使いたいので、まだ息子に贈与するのは早いと思っています。さてどうするのがよいでしょうか?

このような場合、まさに信託が向いているのです。A委託者を父親、B受託者を息子、C受益者を父親にするのです。信託契約をしないまま父親の意思能力がなくなってしまった場合どうなると思いますか。
例えばアパートが災害で壊れてしまったときの補修や、売却をしたいときは所有者である父親でないとできないのです。
しかし信託契約をしていれば、たとえ父親が認知症になってしまったとしても、受託者である元気な息子が管理処分の権限があるため意思決定ができるのです。

成年後見人制度というものがありますが、家族裁判所の許可が必要でさまざまな制約があります。一方、信託は比較的自由な設計ができるため、使い勝手がよいのです。

注意すべきは父親の意思能力があるうちに信託契約をすることです。特に85歳を超えると認知症有病率が5割を超えるようです。
親が認知症になる前に何を親に提案するかは非常に重要です。相続対策を子が親に提案すると親としては自分の死を現実的に見ないといけないので嫌がるケースが多いです。「家族信託」であれば、むしろ父親の体を気遣って不動産等の管理対策を考えていくというスタイルなので前向きであり、父親も受け入れやすいと言われています。

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