土地を財産評価してみよう

2020年9月2日

土地を財産評価してみよう

今回は大田区の蒲田にあるシトラスベル税理士事務所から土地の財産評価の徹底解説を致します。相続税の申告でもっとも難しく複雑で重要な要素の一つとなりますので基礎的な論点から理解をこころがけましょう。

財産評価

相続税の計算は取得した財産の価額に基づいて行われます。
相続により取得した土地、借地権、家屋、預貯金、有価証券、宝石、家財道具などお金に換算ができる財産は、すべて相続税の対象となります。そこで相続税を計算するためにはまず、取得した財産をお金に換算するといくらになるのかを算定する必要があります。財産評価の基本的な考え方は時価評価というものです。

相続税の場合は相続が発生した時、贈与税の場合は贈与により財産をもらったときの時価で評価します。
相続や贈与で財産をもらうと円や上場株式みたいな時価を把握しやすいものは別として、不動産や未上場株式などの財産をお金に換算するのはとてもむずかしいものとなります。そこで財産評価基本通達というルールをつくり、評価する人により課税の公平が損なわれることがないようにしています。

財産評価基本通達では財産の種類別に具体的な価格の求め方が定められています。

土地の評価

評価の区分

土地は地目という種類に分類され地目ごとに評価の方法が異なります。

地目は登記簿上の地目と現況のち地目が同じ場合は問題ありませんが、アパートの敷地が登記簿上では山林であるケースも現実にあります。そのため登記簿上の地目にかかわらず相続がおこったときの現況により判断します。この場合土地の評価区分としては山林ではなく宅地として評価することになります。地目の種類は宅地、田、畑、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地、雑種地となります。

宅地の評価単位

宅地は1区画の宅地ごとに評価します。自宅の敷地や貸家・アパートの敷地、駐車場等は必ずしもl画地=1筆となっているわけではありません。1画地が2筆であったり、l筆が2画地であったりしますので評価をする際は現実の利用状況を確認しなければいけません。

宅地の評価方法

宅地の評価額を算定する方法には路線価方式と倍率方式があり、その宅地の所在地に応じてどちらの方式によって評価するか決められています。評価しようとする宅地をどちらの方式によって評価するかは、路線価図や評価倍率表を参照して判断します。

宅地の所在地が市街地的形態を形成する地域にある場合は路線価方式で、それ以外の宅地は倍率方式にて評価額を算定します。

路線価方式による評価

宅地には道路が必ず接しております。その道路に面している宅地l㎡あたりの価額が付されており、これを路線価といいます。

路線価方式はこの路線価に基づき評価する方法です。

路線価図の見方

路線価は国税庁から毎年7月初旬にその年l月1日時点の価額として公表されています。その頃は必ずニュースにでるのでチェックしてみてください。路線価は国税庁ホームページでいつでも調べることができます。

令和2年1月1日から令和2年12月31日までに相続または贈与により取得した宅地等は令和2年分の路線価図を基に評価額を計算します。路線価図には路線価だけでなく別ページの借地権割合等も記載されており土地の評価をする上では必ず必要になるものです。

路線価方式による計算

土地の面積

相続で取得した時または贈与で取得した時の現況の面積で計算します。したがって登記簿上の地積と実測した地積が異なる場合には、実測した地積を基に評価することになります。

登記簿上の地積はあくまでも参考とするだけで厳密に計算するときは使いません。

1方の道路に面している宅地

評価額=路線価×奥行価格補正率×宅地の面積

角地の場合(正面と側方に道路がある場合)

二方が道路に面している土地、つまり角地は一方だけが道路に面している宅地より利用価値が高いので評価の面でもこれを考慮して計算します。

評価額はすこし複雑で次の(1)と(2)の合計をして宅地の面積をかけて算出します。

  1. (1)正面の路線価×奥行価格補正率
  2. (2)側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率

正面と裏面に道路が面している場合

正面と裏面に道路がある場合も、普通の宅地に比べ利用価値が高いので評価をする際には、正面路線価に裏面の路線価の影響を考慮して計算します。

計算は角地と似ていて(1)と(2)を合計して宅地の面積をかけて算出します。

  1. (1)正面路線価×奥行価格補正率
  2. (2)裏面路線価×奥行価格補正率×二方向路線影響加算率

倍率方式による評価

倍率方式は固定資産税評価額にその地域ごとに国税局長が定める倍率をかけて計算した金額によって評価するやりかたです。

評価額=固定資産税評価額×国税局長の定める倍率

固定資産税評価額は毎年4~6月頃に都税事務所市役所等から固定資産税の納税通知書と一緒に送付される固定資産の課税明細書等で確認します。国税局長の定める倍率は毎年7月1日ごろに国税庁から公表される評価倍率表で確認できます。

利用状況に応じた宅地の評価

宅地という利用形態は自宅の敷地であったり貸家の敷地であったりはたまた土地を貸していたりさまざまです。そこで宅地の評価については利用形態ごとに評価を行うように定められています。

自用地

自用地とは所有者の自由に使える他の権利や制限がない宅地をいいます。自宅の敷地や空き地、駐車場等の敷地などが自用地となります。自用地を評価する場合は、路線価方式か倍率方式により評価した金額がその宅地の評価額となります。

借地権

土地の所有者から土地を借りて借地人が家を建てている場合、宅地に関する権利は借地権として評価します。借地権は借地借家法によって強く保護される権利であり財産価値を有することから評価の対象になります。借地権の評価額は自用地評価額に借地権割合をかけて算出します。借地権割合は路線価図や評価倍率表に記載されています。

評価額=自用地評価額×借地権割合

貸宅地

他の人によって借地権が設定されている宅地を貸宅地といいます。つまり借り手と貸し手の表裏一体の関係ですね。評価額の計算はは自用地評価額から借地権相当額を控除した金額となります。貸宅地に関しては借地人の家屋の敷地であるために自用地に比べて著しくその土地の利用は制限されます。そこでその借地人の権利である借地権相当額を自用地評価額から控除してその価値を反映しています。

評価額=自用地評価額一借地権評価額

貸家建付地

貸家建付地とは地主が賃貸物件を建てている場合のその敷地をいいます。この場合土地も家屋も所有者は地主のものではありますが、アパートや賃貸ビルに借家人やテナントが入居していますので、地主の土地の利用は制限されます。また、借家人やテナントに立ち退いてもらう場合には立退料が必要になることも考えられます。そこで、貸家建付地の評価も自用地評価額から一定の評価減を行います。

評価額=自用地評価額-(自用地評価額×借地権割合×借家権割合)

使用貸借により貸し付けている宅地

両親が所有している土地を子供が借りて子供が家を建てる場合、一般的にはわざわざ権利金を請求したり地代を請求したりすることはありません。このような親族聞の土地の賃借を使用貸借といい賃貸借とは区別して考えます。このような土地を評価する際は子供が家を建てていても父がその土地を利用するうえでの制約はないと考えられるため自用地として評価します。

私道

もっぱら「特定」の者の通行の用に供されている宅地すなわち私道はその宅地の自用地評価額の30%相当額によって評価します。

評価額=自用地評価額×30%

しかしその私道が「不特定多数」の者の通行の用に供されているときには、評価額はゼロとなります。

小規模宅地等の評価減の特例

自宅や事業に使われていた宅地が相続財産のなかにある場合にその宅地の評価額の一定割合を減額することができる特例です。これは相続税を支払うために自宅の敷地や自営店舗の敷地を売却しなければならないといったことがないように最小限の居住・事業の継続をできるようにするためにつくられた特別な規定です。

自宅敷地や事業用宅地、不動産貸付用宅地について一定の要件を満たす場合に50%減額または80%減額が認められている制度です。よくある誤解ですが80%になるのではなく、80%減の20%となるということですのでとても強力な節税効果がある制度となります。1億円の評価だったものが2,000万円の評価になるということですが重要な点としてこの特例の適用を受けるためには相続税の申告が必要になってきます。また申告期限までに遺産分割が成立していない場合は、原則として適用を受けることができません。

適用対象となる宅地・面積と減額割合

この特例は被相続人または被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住用、事業用、不動産貸付用の宅地(建物または構築物の敷地の用に供されているもの)を対象としています。

80%減額ができる宅地は原則として特定居住用宅地等、特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地等の3つで貸付事業用宅地等は50%減額の適用が認められます。減額割合だけでなく、適用する土地の面積も制限があり、該当する要件に応じて異なります。特定居住用宅地等と特定事業用等宅地等はそれぞれの限度面積まで完全併用することができます。しかし貸付事業用宅地等について完全併用は認められず限定的な併用になります。そのため有利不利がでてくるのでだれがどの宅地について特例の適用を受けるのが最も有利になるかという判断が必要です。


今回も税理士事務所から土地の評価の徹底解説を致しました。自分で申告をするのは難しそうというかたは、シトラスベル税理士事務所におまかせしていただければ節税の提案、有利不利の選択、申告書の作成から申告等々すべて安心していただけますのでお気軽にお問い合わせしてください。