2020年9月5日
本日も大田区蒲田にあるシトラスベル税理士事務所より土地以外の財産評価の解説をさせていただきます。
家屋の評価は固定資産税評価額に基づいて行います。
固定資産税評価額は、固定資産税の納税通知書と一緒に送付される固定資産の課税明細書で確認します。
固定資産税評価額そのものが評価額となります。
評価額=固定資産税評価額
地主が建てた貸家やアパートに賃借入が入居している場合にはその地主が家屋を利用するうえでさまざまな制限があるため一定の評価減の適用があります。
評価額=自用家屋評価額-(自用家屋評価額×借家権割合)
マンションの評価は土地部分と建物部分に分けて行います。
土地は敷地全体の評価額に所有している持分割合をかけて評価し、家屋は固定資産税評価額が評価額となります。
上場株式はその株式が上場されている証券取引所の公表する相続が発生した日または贈与を受けた日の終値、または相続が発生した日の属する月前3か月間の毎日の終値の各月ごとの平均額のうち最も低い価額などによって評価します。
日本には東京・大阪・札幌・名古屋・福岡に5つの証券取引所がありますが、2箇所以上の証券取引所に上場されている株式を評価する場合には、納税者がどの証券取引所が公表する終値を使用するか選択することができます。
未上場の株式は取引相場のない株式とも呼びます。
上場株式は市場がありますので、株式を取得する人が誰であっても時価はlつです。
いっぽう未上場の株式はオーナ一社長一族にとってのl株と一般従業員や関係者以外の人にとってのl株とではその価値が大きく異なります。そこで株式の評価方法において価値の認識が異なるという点を考慮して株式を取得する人が同族株主等であるか否かによって評価方法が異なります。
同族株主等にとっての株式は会社の支配権としての価値を有すると考えます。そのため会社の業績や資産内容を反映した評価のやりかたにより評価します。これを原則的評価方式と呼びます。
一方で一般従業員や関係者以外の人とってはその会社からもらえる配当金程度の価値しかないと考え会社の配当実績に基づく評価方式により評価します。これを特例的評価方式と呼びます。
取引相場のない株式の評価はまずその株式を取得した人が、同族株主等、に該当するか否かを判定するところから始まります。
上述のように株主の属性が評価をするうえで大事な論点ですので下記のような判定をおこない同族株主等に該当するか否かをチェックします。同族株主等に該当するか否かの判定は未上場会社の株主を、株主グループにグループ分けしてから行います。その株式を取得した人とその同族関係者を一株主グループとしてグループ分けをし株式取得後における筆頭株主グループの議決権割合をだし判定します。
同族株主等が取得した株式の評価は原則的評価方式により評価します。
同族株主等が取得した株式は会社の業績や資産内容によって評価する原則的評価方式により評価します。この原則的評価方式には、類似業種比準価額方式と、純資産価額方式の2種類の評価方式があります。
類似業種比準価額方式とはその会社が上場するとしたらどのくらいの株価になるか推測する評価方式です。純資産価額方式はその会社が解散したとするとどのくらいの財産が分配できるか推測する評価方式です。
この2種類の評価方式に加えこれらを併用する評価方式がありいずれの方式を適用するかは会社の規模によって異なります。
会社規模は直前期における従業員の数、直前期末における従業員の数を加味した総資産価額、直前期末から前1年間の取引金額をもとに判定をします。
従業員数とは直前期末以前1年間に勤務した従業員の数です。途中で入退職した人やパート・アルバイトについてはその就業時間を集計しその合計時間数を1,800時間で除した数を従業員数として加算します。
従業員数が70人以上の会社:大会社となります。
従業員数が69人以下の会社:取引高基準と従業員数を加味した総資産基準によりそれぞれ判定しいずれか大きい方の会社規模とします。
類似業種比準価額方式は業種が似ている上場会社の株価を基にして計算します。さらに会社の業績等を表す基本要素である配当金額・利益金額・簿価純資産価額の三つの要素について業種が似ている上場会社と非上場会社とを比較して算出します。
類似業種比準価額方式では利益を出し配当を出している会社や過去の利益の蓄積が大きい会社の株価は高くなりますが会社の財産時価は反映されないという特徴があります。
純資産価額方式は、資産・負債の相続税評価額をベースとして1株あたりの純資産価額を算出します。評価をする会社が解散するとした場合にその会社の株主に分配されるべき正味財産の価値を算出します。
純資産価額は、会社の財産時価含み益が反映されますので会社が赤字であっても含み資産を有する場合は株価が高くなるという特徴があります。
類似業種比準価額と純資産価額の折衷による併用方式でその折衷割合は会社の規模により異なります。原則的評価方式は3つの評価方式があり会社の規模に応じて選択できる評価方式は異なります。
大会社の株式の評価においては類似業種比準価額と純資産価額のいずれかを選択することができ、中会社や小会社の株式の評価においては、折衷価額と純資産価額とのいずれかを選択することができます。
評価する会社が特定会社等に該当する場合には会社の規模にかかわらず純資産価額により評価しなければなりません。
土地保有特定会社・・・総資産中に占める土地の保有割合が一定割合以上である会社をいいます。
株式等保有特定会社・・・総資産中に占める株式等の保有割合が一定割合以上であ会社をいいます。
間業後3年未満の会社
類似業種比準価額の計算において配当や利益、簿価純資産すべてがゼロである会社など
同族株主等以外の株主が取得した株式については配当を期待する程度の価値しかないものと考え会社の配当実績に基づいて評価します。これを特例的評価方式、一般的には配当還元方式といいます。
定期預金や定期郵便貯金等
評価額=課税時期の預入残高+(解約時既経過の利子-源泉徴収税額)
普通預金や貯金等
預貯金で既経過利子の金額が少額であるものは預入残高を評価額とすることができます。
上場している利付公社債
評価額=課税時期の最終価格+(既経過利息-源泉徴収税額)
公社債店頭売買参考統計値が公表される利付公社債
評価額=課税時期の平均値+(既経過利息-源泉徴収税額)
その他の利付公社債
評価額=発行価額+(既経過利息-源泉徴収税額)
個人向け国債
個人向け国債は途中で換金した場合に取扱金融機関から支払いを受けることができる価額で評価します。
額面金額+経過利子額-換金手数料等
年金受給権等
生命保険契約により死亡保険金や満期保険金を年金形式で受け取る場合があります。
このように、年金を一定期間受け取ることができる権利を年金受給権といい、この権利を取得したときに相続税や贈与税の対象となります。年金受給権の評価方法は受け取る年金の種類に応じて評価します。
評価額は下記の3つのうち最も大きい金額とします。
評価額=次の3つの金額のうち最も大きい金額とします。
保証期間付終身年金の評価額は、保証期間をもとに計算した確定年金の評価額と、その被保険者の年齢に応じて計算した終身年金としての評価額のいずれか大きい金額となります。
相続が発生したときにおいてまだ保険事故が発生していない生命保険契約で被相続人が負担した保険料に相当する部分の解約返戻金を受ける権利を生命保険契約に関する権利といいます。この生命保険契約に関する権利は相続発生時に契約を解約した場合に受け取ることができる解約返戻金の額によって評価します。
評価額=相続発生時に支払われることとなる解約返戻金の額
ゴルフ会員権は会員権の種類に応じて次のように評価します。
取引相場のあるゴルフ会員権は通常の取引価格×70%の金額
プレー権のみのゴルフ会員権は評価する必要はありません。
一般動産の価額は1個または1組ごとに評価することになっていますが、家庭用動産、農耕用動産、旅館用動産等については種類や数量も多く1個または1組ごとに評価するのは煩雑なことからそれぞれ一括して1世帯、1農家、1旅館ごとに評価することが認められています。
原則的な評価額は売買実例価額や精通者意見価格等で評価します。
売買実例価額等が明らかでないときは新品で購入した価格から経過年数によって低下した価値の金額を差し引いて評価します。このとき減価の額を計算する償却方法は定率法によります。
JR蒲田駅、東急池上線、東急多摩川線、京急蒲田駅に近いシトラスベル税理士事務所では相続税のご相談を承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。