遺言や遺言書

2021年1月7日

葬式での注意や遺言に注意

手書きで遺言を書いているのをドラマなどでみたこともあるかもしれません。簡単にかいた遺言は無効となるケースもかなりの確率ででてきます。遺言には色々種類がありますが今回は自筆で書くもの、公正証書、秘密証書の3種類をテーマとしております。それぞれのメリットデメリットを解説してますので確認してみてください。

自筆証書遺言はもっともカンタン?

手書きで自分の思ったように書く遺言があります。自筆証書遺言は、思い立ったときにいつでも書けますし、専門家に頼まなくてもよいので費用はかかりません。自筆証書遺言に必要な条件は、(1)すべて自筆で書くこと、(2)日付を入れること、(3)署名・押印をすること、の3点です。パソコンを使って書いたほうが修正しやすく、体裁もよいので、印字したものを残したいと考えがちですが、自筆で書く必要があります。

2019年の改正で財産目録に関してはパソコン等で作成してもよいこととなり、しかも通帳のコピーでどの預金かを特定させることも可能となりました。さらに自筆証書遺言の保管制度がスタートしており家庭裁判所で必要な検認という手続きが不要となりました。紛失や破棄されるリスクがなくなるため相続手続きがスムーズとなりました。

自筆証書遺言は他人に偽造されやすいため、筆跡が重要となり、本人が書いたと判断されることが大切なのです。ですから当然、配偶者や子供に代筆を頼むことも認められません。

日付は作成年月日を記載します。本人がその当時、書き残す意思能力があったかを判断したり、遺言書が複数あった場合、どちらが新しいかを確認をするために日付は重要です。このため「8月吉日や「平成30年、~の祝いの日に」などの暖昧な表現は無効になります。

また、自筆証書遺言は訂正や書き直しができます。訂正方法は、(1)訂正箇所を二重線で消し、(2)その横に正しい文言を記し、(3)訂正箇所に署名下に押したものと同じ印鑑で押印、(4)余白に訂正内容を明記し署名します。

修正が多い場合や変更内容が数行に渡る場合は書き直し、古い遺言書は混乱を避けるために破棄します。こうして新たな遺言書ができると、それ以前の遺言書で内容が抵触する部分は自動的に失効します。
署名については戸籍に登録された本名を書きます。そして署名のあとに必ず押印します。実印である必要はありません。また、複数に渡る場合は割印を押すとよいでしょう。割印がなくても無効にはなりませんが、差し替えを防ぐ効果があります。

自筆証書遺言は手軽な反面、書き方を間違えると無効になってしまうので、注意してください。実際確認を依頼され遺言をチェックさせていただくと、無効になりそうな箇所がたいてい見つかります。

遺言には「付言事項」といって財産の分け方についての理由や意図、子に対する思いなどを書き記すことができます。自筆証書遺言では自筆なので、父の字母の字とわかれば必ず思いは伝わります。その温もりはとても大きな意昧があります。正式な遺言書の中で子供への思いや感謝を記すことで、争いやモメ事を起こさすに済むかもしれません。付言事項は、後述する公正証書遺言、秘密証書遺言でも書くことができます。

最後に自筆証書遺言の保管についてです。保管場所、保管方法に決まりはなく作成した本人の責任になります。このため死後に見つからないケースもあります。遺産分割協議が終わったあとに遺言が見つかった場合、決めたことは全部白紙になります。子供に預かってもらう方法もありますが、兄弟が多い場合などはトラブルのもとになるので、信頼できる第三者に預けるべきでしょう。なお、自筆証書遺言は、家庭裁判所に提出し、検認の手続きをしたあとにはじめて開封できます。

公正証書遺言はもっとも一般的?

遺言でもっとも一般的なのは公正証書遺言です。遺言作成の窓口をおいている信託銀行や弁護士事務所では、きちんとつくれる公正証書遺言を勧めています。公正証書遺言は公証人に依頼して作成するので、記載に不備なく法的な条件をもち、かつ第三者が証人となることで公文書として扱われ、原本は20年間公証役場に保管されます。このため、滅失、隠匿、偽造などの恐れがなく、公証役場で閲覧や検索もできます。執行についても、家庭裁判所の検認を受けなくても開封できます。このようにメリットが多い公正証書遺言ですが、作成には手間がかかります。

作成までの流れや準備するものを説明します。まずは必要な書類をまとめます。

  • 本人の実印を登録した印鑑証明書
  • 本人と相続人との続柄がわかる戸籍謄本
  • 相続人以外に遺贈する場合はその人の住民票
  • 不動産がある場合は土地・家屋の登記簿謄本(登記事項証明書)と固定資産評価証明書

これらを準備したら公証役場に連絡し、公正証書遺言作成の依頼をします。公証役場は遺言の作成だけをやっているわけではないので、予約が必要です。

初回の打ち合わせでは書類の確認や遺言の内容を聞かれます。この時点で遺言の文書をつくります。公証人は記載要件に不備のない遺言を作成することが仕事ですので法律用語や表現の助言はあっても、遺言の内容について相談に乗ること(例えば、こうすると相続税が軽減できますなどの具体的なアドイス)はありません。遺言内容が確定していない場合は、打ち合わせの回数つまり公証役場に出向く回数が増えることになります。文書ができたら遺言作成の運びとなります。

このとき証人が2人以上必要です。しかし推定相続人や受遺者、およびその配偶者や直系血族、未成年者は証人になれません。財産や遺言の内容、個人情報を知うれてもかまわない人つまり証人の適任者を見つけるのは容易ではありません。初回の打ち合わせのときに公証人に頼んで用意してもらうこともできますが、この場合、立会料が発生します。シトラスベル税理士事務所では無料でご用意できますのでご安心ください。

遺言作成は本人と公証人と証人のみで行います。すでに遺言内容が記載された原本が用意されているので、それを本人が確認し、もし誤りがあれば訂正します。公証人が全文を読み上げ、承認後、署名、捺印をして完了となります。公正証書遺言の作成料は相続財産や相続人の数によって違います。大まかにいうと1億円の財産の場合、およそ8~9万円、3億円の財産で14~15万円ほどです。これは文書の作成料であり、コンサルティング料ではありません。
また、公証役場は遺言を保管してくれますが、遺言作成者が亡くなって相続が発生しても役場から連絡はありません。

秘密証書遺言はもっともメリットが多い?

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自筆証書遺言をつくるには自信がないし、公正証書遺言で公証人等に相談するのは大げさで負担が大きいと感じる場合、ほかに秘密証書遺言という手もあります。秘密証書遺言はあまり知られていない方法ですが、メリットもあります。

そのメリッ卜はまず、自分で考えて自分なりの言葉で書くことができることです。ただし、自筆証書遺言と違って、秘密証書遺言では自筆である必要はなく、本人の署名以外はパソコンの使用も可能ですし、代筆も認められます。代筆が認められているということは、相続の専門家や行政書士、弁護士に頼んで法的に不備のないよう整えてもらうことができます。

清書した遺言は中身が見えないよう秘密の状態に封印して公証役場にもっていきます。このとき公正証書遺言と同じように、証人が2人以上必要となりますが、公証人や証人に遺言の中身は見せる必要はありません。内容は秘密にできます。

公証人に封書を確認してもらい、秘密証書遺言であることを証明する書面を封書に貼りつけます。本人は公証役場ではその書面に署名・捺印をするだけでよいのです。このため、公証役場に支払う手数料も安く済みます。

シトラスベル税理士事務所では、秘密証言遺言の作成や保管について、ご相談を受けています。まず遺言作成のご相談を受けたら作成者にヒアリングをします。作成者は遺言に真剣な思いや願いをもっていますから、よく聞いて、その意向に沿って文案をつくります。それを何度も確認し、修正し、納得するまで繰り返します。文案作成と並行し、相続のコンサルティングも行います。モメないこと、そして相続発生後の手続きや相続税の納税対策などを遺言に盛り込むことができます。

付言事項を入れておくと、不備のない用語や表現のチェックもでき、遺言としてとてもよいものができるでしょう。保管については、本人の責任で行いますが、シトラスベル税理士事務所でもお預かりすることができます。

秘密証書遺言のデメリッ卜は、家庭裁判所での検認の手続きがあることです。封印してある遺言は検認を受けなければ開封、執行ができません。これが面倒だと敬遠する方もいらっしゃいます、しかし普段は馴染みのない家庭裁判所に赴き、親が書いた遺言を公式な手続きのもとに開封されます。そこには亡くなった親の思いが込められており、厳粛な場で共有した時間はそのあとの相続でモメ事を減らすことができると思います。

【秘密証書遺言を満たす条件】

(1)遺言書に遺言作成者本人が署名・押印
(2)本人がそれを封じ、遺言書に用いた印章で封印
(3)公証人1人及び証人2人以上の前で封書を提出し、自己の遺言であることと、自らの氏名および住所を申述
(4)公証人がその遺言書を提出した日付および遺言書の申述を「封紙に記載したのち、遺言者および証人とともにこれに署名・押印
(5)相続発生後の開封には検認が必要

東京都の大田区にあるJR蒲田駅、東急池上線・多摩川線の蒲田駅、京急蒲田駅に近いシトラスベル税理士事務所では相続税のご相談を承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
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