親に遺言書を書いてもらいたい

2021年1月12日

親に遺言書を書いてもらいたい

今回のテーマは「親に遺言書を書いてもらうには」「死んだらあげるは遺言?」「遺言執行人とは?」となります。資産家の子供世代は相続がおこったらどうしようと不安になるケースが多いです。しかし親に軽く頼むわけにもいきません。遺言を書いてもらう際に大事なポイントを東京都大田区蒲田にあるシトラスベルから解説をしていきます。

親に遺言書を書いてもらうには?

遺言書が書いてあったほうが、相続がとても楽になります。親にぜひとも書かせたいと思います。どのように頼めばよいでしょうか?というご相談も多いです。では遺言書を書いている人はどういう理由で書いているのでしょう。

1つ目は、子供がいないケース。特に世話になった兄弟姉妹に分けたい、法的相続人ではない人に遺贈したい、という場合はその意思を遺言に明記する必要があります。2つ目は、財産を不公平に分ける場合。モメ事を避けるためには遺言は必須です。3つ目は、心身障害などハンディキャッブをもつ子供がいる場合です。親が亡くなったあとも生活を支えてもらえるよう、世話をしてくれる人に遺贈するケースです。4つ目は、自分がモメた経験がある場合。子供に同じような目に遭ってほしくないという親心から準備するようです。

遺言書があると相続はスムーズに運びますが、すぐに親に「遺言書を書いて」と頼むのはやめましょう。親はなかなかそういう気持ちになれないのです。親に遺言書を書いてもらいたい人には、私たちは次の3ステップを提案しています。

第1ステッブは、親子でお互いの将来のことを話し合える関係をつくること。定期検診に連れていってあげる、歩きやすい靴をプレゼン卜するなど、親を思っての行為は、相手に安心感を与え、何かあったら相談しようと思えるようになります。何を話してよいかわからない場合は、親の自分史を一緒につくる、家系図をつくるなどもよいでしょう。

第2ステップは、親とともに死を見つめること。話し合える関係になると、親はこれだけは言っておこうという気持ちになり、親戚の葬儀後やお墓参りの際など、葬儀・お墓にまつわる話をするようになります。そのとき親が祖父母の葬儀をどう執り行ったのか、子供に何を引き継いでほしいかなどを聞いてみてください。エンディングノートの活用もよいでしょう。この場合も死ぬときに備えてというより、親の人生をもっと知りたいという目的で書いてもらい家族全員で共有します。元気なうちに万一認知症になったら万一寝たきりになったらというような終末医療の話や、葬儀の希望、知らせてほしい友人なども記しておいてもらいます。

信頼関係が十分にできたら、遺言のことをお願いしましょう。これが第3ステップです。親にとっては子供のことが、いつまでも心配です。その心配が安心に変わったとき、遺言書や相続の話をすることができます。

最後に作成のお願いをするときの注意点です。兄弟がいる場合は子供たちの総意として伝えます。1人が独断で頼むとトラブルの原因になります。そして遺言書をつくるのは親です。財産をどうするかは親が決めることです。くれぐれも主役は親であることを忘れないようにしましょう。

また遺産分割や遺言などの知識については遺産分割や遺言ってなんだろう?のページや相続税ってなんだろう?のページも読んでみてください。

口約束の「死んだらあげる」は遺言?

事業承継税制 相続税編私が死んだら財産をあげると言われたというケースはよくあります。例えば被相続人(親)が亡くなる前に、献身的なお世話をしてくれたお手伝いさんに財産をあげると言ったり、活動内容に賛同する非営利団体に死んだら財産をすべて寄付するなどと言ったりすることがあります。

しかしながら遺言は、遺言書に記されてこそ効力を発揮します。口約束という形式はありません。ですから、死んだらあげるは遺言ではなく、贈与の意思を示したということになります。この場合の贈与を「死因贈与」と言います。

死因贈与には2つの要件があります。1つ目はそれを聞いた人、つまり証人がいるかどうかです。死んだらあげると本当に言ったのか、書面がないので誰にもわかりません。そこでその話を聞いた証人がいる必要があります。シトラスベル税理士事務所も証人になることができます。贈与者、受贈者、証人の3人で会合し、記録に残します。これで1つ要件が満たされたことになります。

2つ目の要件は相続人全員の承諾を得ることです。相続人にとっては相続財産が減るので重要なことです。相続人全員の承諾を得て、実印と印鑑証明をもらうことができれば、死因贈与が成立します。口約束だと思っていたら、書面があったというケースもあります。書面があれば立証の材料になりますが、贈与者、受贈者双方の捺印がないものは証拠になりません。

相続のお手伝いをしていると死んだらあげるはよく出てくる話です。言われた人が強く主張しても、亡くなった方に確認する方法はありません。生前、そのような話が出たときは、手続きをしておきます。口約束で言われただけではもらえないからです。

そうはいっても、死んだらあげるは多くのケースで軽い感じで語られることが多く、文書を取り交わす人はまずいません。ですから立証が難しいのです。別の側面から見れば、誰かれ構わす贈与してしまうことがないよう要件が厳しくなっているのです。もし本当に死んだらあげたいという思いがあるなら、生きているうちにきちんと書類を整えておきます。そうしないと、ほかの相続人が納得せずモメる原因になります。

死因贈与のメリットは無駄な税金の支払いを防げる点です。例えば、親が最後まで面倒を見てくれたお手伝いさんに死んだらあげると思ったとします。子供が一度相続し、そのあと納得してからお手伝いさんに贈与すると、最初に相続税がかかり、次に贈与税がかかります。税金を二重に支払うことになります。死因贈与にすれば、最初からお手伝いさんに財産の一部が渡り、税金は相続税だけで済むので無駄にならないのです。

遺言執行人って何?

遺言書の中に遺言執行人の氏名が書かれていた場合、遺言執行人の役目とはどんなものでしょうか?遺言執行人とは遺言書の通りに手続きを進めるよう、遺言書を書いた本人(被相続人)から依頼された人を言います。

遺言執行人は相続人(未成年者・破産者を除く)や信託銀行や弁護士、行政書士資格をもった税理士でもなれます。多くの場合、遺言書の作成に関わっている信託銀行や弁護士のような、利害関係がなく信頼のおける第三者になってもらいます。

では、具体的に遺言執行人は何をするのでしょうか。遺言執行人は相続人全員が遺言を受け入れる意思表示をしたあと、不動産や預貯金、株や債券などの有価証券、車などの財産の名義変更の手続きをします。相続は名義変更をすることによって完了するからです。遺言執行人は相続人全員の代理人であり、遺言内容の執行について、一切の権限をもちますので、全員分の署名・捺印がなくても名義変更の手続きができるのです。

また、相続人以外の人が相続する場合があります。これを「遺贈」と言います。遺贈の場合、遺言執行人がいれば、遺言執行人の実印と印鑑証明だけで手続きできますが、遺言執行人がいない場合、相続人全員の実印と印鑑証明が必要です。相続人全員分の署名捺印をもらうことはとても大変です。

例えば海外に在住している、深夜勤務でいつも不在、嫁いだ娘の転居先が不明で連絡がとれない、などのケースが実際にあります。住民票などをたどっても所在地がわからない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てます。最初から親の遺言書に遺言執行人の指定がなく、相続人がやはり遺言執行人が必要と判断した場合や、遺言執行人が書かれていても、すでにその人が亡くなっている場合は、家庭裁判所に申し立てて選んでもらうことができます。

なお、遺言執行人の選任を申し立てることができるのは、相続人や遺言者にお金を貸していた人、遺贈を受けた人など、利害関係者だけです。遺言執行人は確実に遺言を執り行う役目があるので、もし遺言書に遺言執行人が書かれていない場合、みんなで遺言を無視して分割協議するとともできます。

すると、被相続人が真剣に考えた遺言は何だったのか、ということになってしまいます。遺言を残して思いを伝えたいのなら、遺言執行人は必ず入れておくほうがよいでしょう。シトラスベル税理士事務所が遺言書作成のお手伝いをするときには、財産が誰に帰属することになるか、財産の出入り、利害などを考慮します。そのうえで作成者と何度も相談し、練り上げて1つの遺言書ができ上がります。そのため遺言作成時に相談した行政書士資格をもつ税理士が遺言執行人になるケースも多いのです。

東京都の大田区にあるJR蒲田駅、東急池上線・多摩川線の蒲田駅、京急蒲田駅に近いシトラスベル税理士事務所では相続税のご相談を承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
シトラスベルは仮想通貨(暗号通貨や暗号資産とも呼びます)に関しての税務や税務調査も得意としております。仮想通貨に関しては大見税理士事務所(シトラスベル税理士事務所の旧名称)をご覧ください。