遺言の内容が不満、納得できないとき

2021年1月19日

遺言の内容が不満、納得できないとき

遺言で長男に財産のすべてを渡すとあったら他の相続人はなにももらえないのでしょうか?遺言の内容が不公平すぎて納得できないときはどうするの?またこうならないよう事前に親の財産を知っておきたいときどうすればよいかを東京都大田区蒲田にあるシトラスベルから解説しております。遺留分や家庭裁判所での調停まで踏み込んでますので一読してみてください。

遺書より多い財産を請求できる?

遺言には、財産を長男に全部渡すとありました。次男の私に相続する権利はないのでしょうか?こういったご相談もよくお聞きします。残念ながら、「遺言書」では誰にどう分けても自由であり、分け方が不平等だから無効とはなりません。しかしもちろん救済措置があります。

相続人が財産を受け取れる最低限の割合は法律で決まっています。相続人が2人兄弟の場合、法定相続分は2分の1ずつ平等に分けるようになっています。法律では兄だからとか優遇しようという規定はありません。では遺言で書かれた分割割合(指定相続分)と法定相続分のどちらが優先されるのでしょうか。答えは指定相続分です。ただし、「遺留分に反しない限り」という条件がつきます。

遺留分とは、被相続人が相続人のために残す必要のある財産の割合のことを言います。具体的な割合は、相続人が2人兄弟の場合、法定相続分の2分の1です。つまり、仮に遺言に長男に全部と書いてあったとしても、次男は4分の1を長男に請求(遺留分減殺請求)することができます。

請求するには、相続人からの請求の意思表示が必要です。また、この請求は期限があり、相続の開始、及び自分の遺留分が侵害されたことを知ったときから1年以内に権利行使しないと権利が消滅します。

また、相続開始のときから10年を経過した場合、遺留分侵害の事実を知らなくても権利が消滅します。遺留分の減殺請求の手続きは、弁護士に依頼するのが一般的です。最近多いのは、遺言に記載されている表向きの財産の分配では遺留分を侵していないのですが、相続人名義に変わっている財産(名義預金)を含めると遺留分を侵しているというケースです。

例えば父親の財産の相続人は兄弟2人で表向きの相続財産は1億円で、遺書には長男に7,000万円、弟に2,500万円と書かれていた場合、弟の遺留分は守られています。しかし、長男名義の預金が2,000万円あった場合、これを相続財産に加えると弟の遺留分は3,000万円になります。遺留分減殺請求を行うと、取り分は確実に取り戻せます。

ただ、相続財産のうち7割以上が土地や建物というデータがあります。4分の1の遺留分を現金でもらおうとすると土地建物を売らなくてはなりません。この場合、遺留分に満たなくても兄が用意できる現金で承知するか、土地・建物の4分の1を共有するか、ということになり、話がややこしくなります。

また、法律上遺留分が請求できるとはいえ、請求しないほうがよかったと後悔することもあります。ある農家の2人の息子をもつ父親は、元気なときにすべてを長男に相続させたいと意志表示をしていました。この意見は妻も2人の息子たちも納得していました。ところが父親が亡くなり、お通夜の席で次男は長男に、仮に遺言があっても遺留分はもらえるのだから、自分も遺産がもらえるはずだと主張しました。相続財産のほとんどは農地や建物で預貯金は少額でした。遺産分割協議はモメて父親の長男だけに相続させたいという希望は満たされず、兄弟間に大きなしこりが残ったということもあります。親や兄としては不平等となることがわかっているのであれば生命保険や貯金等、直接理由を話すことで弟への納得を得ることが必要だったのかもしれません。

遺言の内容に納得できないときは?

遺言の内容上記のように遺言の内容がまったく納得できない場合は遺留分の請求ができますが遺留分の請求をしても多くの場合、財産が現金ではなく土地や建物であるために、切り分けることができず、話がこじれるケースが多々あります。

遺産分割協議は相続の発生から10カ月以内に終え、そのあと相続税を申告、納付という段取りになっていますが、モメてしまって話がまとまらないと、預貯金や不動産の名義変更ができませんし、財産を金融機関から引き出すこともできません。

相続税がかかる場合、納税の義務がありますから、いったん法定相続分に沿って分割したと見なし、期限までに相続税を支払うことになります。この場合、配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例は使えなくなります(とはいえ、申告期限後に分割が確定すれば原則としてさかのぼって適用できます)。このように10カ月以内に遺産分割ができないとデメリッ卜が多いので、できるだけ早めに相続財産を調べて協議に入ります。

モメてしまった場合、早期解決を図るために家庭裁判所で調停を申し立てることができます。まず、納得できない相続人が財産目録をつけて申し立てをします。裁判所では調停委員と話し合いをします。相続人にはそれぞれ言い分がありますが、調停では法定相続分を基準として解決策の提案が行われます。

それでも合意に至らないときは、審判に進みます。これは裁判官による審判で決着をつけます。審判でも法定相続分に従った分割が示されることがほとんどです。それでも不服の場合は不服申し立てをし、上級裁判にもっていくことができます。しかしながら、ここまでくると合理的な判断というよりも感情の問題に変わってしまい、きりがないのです。

モメている間に相続税の納付期限がきたら、当然払わなくてはいけません。この場合、法定相続分に準じて計算されます。この係争は一定の財産の奪い合いです。全体の財産が増えることはないので、どちらかが得をすればどちらかが損をします。調停は月に1回しかありませんし、審判までいくと長い場合10年程度かかります。つまり、時間とコストは莫大です。

その間、財産を活用することはできませんから、資産が目減りする可能性があり、長くなればなるほどトータルでは損をします。このことは誰もがわかっていますが、感情的になると引くに引けず泥沼にはまります。諦める時期を見極めることがとても重要です。

裁判をやること自体が悪いわけではありません。時間を経て争うことで、諦めがつくこともあるからです。ただし、調停、審判をするメリッ卜とデメリッ卜をあらかじめ把握しておくことを考えることは重要だと思います。

また遺産分割や遺言などの知識については遺産分割や遺言ってなんだろう?のページや相続税ってなんだろう?のページも読んでみてください。

親の財産を事前にどうやって知る?

子供の立場では、親にどれくらいの財産があるかは気になるところです。さらに言えば、親に相続税対策をしてほしいという希望もあるでしょう。しかしながら、親自身が前向きになって相続および相続対策について考えなければはじまりません。子供のほうから「財産はいくらあるの?」「相続税対策をしてくれよな」というと親子関係が悪化してしまうケースもあります。

親の立場では、子供に自分の財産を報告する義務はありません。亡くなる間際になって「体調が心配だから預金通帳と印鑑を預かってほしい」と言われてはじめて財産の概要を知るということもあります。親の財産は、親が自ら言わない限りわからないと考えてください。

しかし相続が発生すれば財産は把握できます。例えば金融機関名が電話帳に記載されていたり、証券会社や保険会社から郵送物が届いたり、カレンダー、タオルなどの贈答品からわかるときもあります。また、土地は固定資産台帳に記載されています。もし借金があったら催促してくるでしょう。このように財産に関係する資料は時間とともに集まってきます。

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