税務調査で帳簿が紛失!?

2020年11月30日

税務調査で帳簿が紛失

本日も東京の大田区蒲田にあるシトラスベル税理士事務所より税務調査の注意点の解説をさせていただきます。
今回は税務調査の連絡があったけど帳簿がなくなってしまった…ときや、資料せんの提出という書類が届いたけど資料せんってなに??や得意先の反面調査がきたけど受けたほうがいいの?といった疑問点を解説しております。

帳簿がなくなってしまった

税務調査の直前に、過去の帳簿書類を紛失していることに気づいたときはどのように対応をするべきでしょうかという疑問点があります。単なる紛失の場合は当社の落ち度ですから争いの余地はありません。とにかく低姿勢で臨み、丁寧に説明することが大事です。

紛失の度合いがどの程度かによって、税務調査官の対応は異なります。帳簿書類のごく一部を紛失しているだけで、悪意がないことが明白であり、かつ金額的にも重要性がとぼしい部分の紛失であれば「今後は気をつけてください」と注意されるだけでペナルティは課されないことが多いようです。
これはあくまで1万円未満など金額の重要性が低く大勢に影響がないといった場合です。

しかし改装工事や機械購入など金額的にも内容的にも重要性が高い領収書を紛失している場合は、「取引先に依頼して再発行を受けてください。」または税務調査官が「直接取引先に確認していいですか」と言ってくると思います。取引先に迷惑がかかってはいけないので、このような場合は事前に再発行を受けておいた方がいいでしょう。

または、取引の際のメールやLINE等のやり取りが残っていればそれが客観的な証拠の一つになるでしょうし、現物や実際の出金等と突合し理屈にあっていれば注意で済むこともなくはありません。

では、帳簿書類がまるまるない場合はどうなるでしょうか。大地震や水害などが原因の場合は問題になりませんが、事務所を移転した際に全部捨ててしまったとか、パソコンの中に保存していたデータが消えてしまったとかいう場合です。

復元することが困難であるという場合は、過去の申告内容を証明するものが何もないということですから、最悪の場合は推計で課税される可能性があります。これに備えて必ず保存は2つ以上の方法で行いましょう。

利益を推計するには色々な方法があります。

同規模の同業者の平均利益を参考にして、飲食店であればおしぼりや割り箸の仕入本数、ホテルではシーツのクリニング代などに客単価を乗じた数字などがされます。推計という段階になると税務調査官は実際より多くの数字をいってくるかもしれませんが推計であるため現実とはほぼ合いません。

ちゃんとしてほしかったら帳簿等は保管して置かなければいけないので反論もなかなか難しいでしょう。税務署には全国で集めているデータベースがあるので同業他社比較は容易です。

少し前に大阪城前でたこ焼き屋を営んでいた店主が5億円以上の売上を隠し、1億円以上の脱税をしていたとニュースがありました。このときも売上高がどの程度なのか資料がなかったため仕入れの状況から推計課税をして売上の額を算出したそうです。

また、帳簿書類の大部分を紛失している場合は、青色申告の取り消しや重加算税等のペナルティも覚悟しなければなりません。青色申告はルールにのっとって帳簿を作成しなければいけませんから帳簿がないということは要件を満たさないこととなります。 青色申告を取り消されると過去の欠損金を繰越しすることができなくなりますからかなり痛いです。青色申告の取り消しに関しては「税務調査で指摘されたペナルティ」に詳しく解説しておりますので見てみてください。

帳簿書類の保管は場所をとるものですが税務調査では保管が適正になされていないと青色申告という大きな節税ができる制度も使えなくなってしまいますので会社維持の必要コストとして考え重要資料として考えましょう。

また、売上も仕入も会社の通帳を通して決済するようにしておけば通帳に記録が残ります。
万が一、通帳を紛失してしまった場合でも通帳記録の再交付を受けることができるため、推計による課税は回避できるはずです。

これはクレジットカードでも同じことです、会計帳簿に記入する際も現金支払いが一番手間がかかります。銀行取引やクレジットカードはエクセルデータ等で加工も容易ですのでリスク回避に有効なのはもちろん記帳も楽になるのでキャッシュレスがおすすめです。

資料せんとは何ですか

資料せん

資料せんとは、税務署からの協力依頼を受けて提出する書類で、一定期間における売上、仕入、外注費、交際などについて、その相手先、金額、取引内容などの情報提供を行う参考資料のことをいいます。

税務署から心当たりのない封筒が届き、ドキドキして開けてみたら資料せんの提出依頼であったという経験をお持ちの方もいるかと思います。この資料は提出した会社を調べるためではなく、その取引先の調査に利用されます。当社の売上は得意先の仕入になるわけですから、反面調査の一種といえるかもしれません。

たとえば、当社がB社に外注として100万円支払ったという資料を提出していて、B社が当社からの入金を50万円と申告した場合は、B社の売上は「怪しい」ということになります。家賃収入が申告もれになっていた場合などはすぐわかってしまうでしょう。

この資料ですが、実際に書いてみると結構時間がかかります。法律上の提出義務があるわけではなく、任意での協力ですから提出しなくても罰則はありません。実際の提出率は50%程度といわれています。提出しないと税務署の心証を悪くするのではないかと考えてしぶしぶ提出する場合がほとんどでしょう。
全国の税務署が回収した資料せんは、国税庁でデータベース化されて、無申告会社の発見や調査対象の選定、調査時における参考資料に利用されます。

遠隔地にある取引先との単発取引でも売上除外が発覚するのは、こうしたシステムによるところが多いのです。資料せん以外でも、不動産の売買や贈与をおこなって登記を変更すると法務局から税務署に報告されるようになっていますし、自動車やゴルフ会員権の名義変更、満期保険金の受取り、外国送金についても税務署に報告がいきます。郵便局に預けたお金は見つからないと思っている人もいますが、貯金事務センターに照会がいくため、これも税務署にわかってしまいます。

また、税務署へのいわゆるタレコミも増えているそうです。
このように税務署が申告内容を確認するための情報源は多岐にわたります。このように無駄な努力を重ねてもいずれはつじつまがあわず大きなペナルティを受けてしまいますのでルールの範囲内で最大限の節税をすることが大事です。

たまりとは何ですか?

ごみの中や排水溝から1万円札の束が発見されたというニュースを目にすることがあります。不思議なことに落とし主が名乗り出ることはまれです。公にできないお金なので手を挙げることができないのでしょう。脱税によってプールした資産が発見されると、脱税取引自体が発覚しなくても脱税していた事実が発覚します。

資産を獲得した原資が借入金によるものでないならば、それに見合った隠し所得があったことになるからです。資産が増えるという事実が見つかったということは儲けもその分だけ増加しないとつじつまがあいません。

こうした脱税発覚につながる資産のことを「たまり」といいます。税務調査官は怪しい会社の「たまり」を一生懸命探します。脱税をテレビドラマでは税務調査官が「たまり」を探す場面が定番です。実際の税務調査でも引き出しやタンスの中や縁の下から現金や金塊が見つかることがあります。
調査官「奥さん、この現金はどなたのものですか?」
奥さん「主人からもらいました(汗)
調査官「贈与税の申告書が提出されていませんが…」
奥さん「すみません、税金がかかるとは思っていませんでした」
こんな会話がおきてしまったらペナルティを受けてしまいます。
これに関しては「税務調査で指摘されたペナルティ」と「贈与税ってなに?」を参考としてください。

「たまり」が発見されるのは、納税者と税務調査官との会話の中にもあります。
もうかっている人はどこに行ってもチヤホヤされますからついつい自慢します。
社長「昨年は息子の留学で500万円、娘の結婚式に700万円かかりました。どこを叩いてももう挨ひとつ出しない。お手柔らかに頼みますよ…」

税務調査官は心の中で、そうすると生活費のほかに1200万円稼いでいたのか、簿外で1200万円プールしていたのだなと推測します。
「たまり」はモノばかりではありません愛人、珍しいペット、愛人との海外旅行、という生身の形をとることもあります。「たまり」があったということ=それだけの所得を隠していたということなのです。

得意先の反面調査には協力すべきでしょうか

反面調査によってもし取引先の不正が発覚しても、それは取引先の問題であるため粛々と協力する必要があります。反面調査を拒否するといって反抗したとすると反面調査のような一部ではなく本来の税務調査をされるだけですし、そうなったら事実をありのまま話さないと今度は自分が被害を被ることとなってしまいます。

しかし実務上は反面調査はあくまでも確認のため行われるのですが、取引先の誤解を招き信用を失う危険があります。会社が下請けの立場で元請けの反面調査を受けた場合は泣く泣く下請けの会社が口裏をあわせて重加算税を負うこともあるようです。

国税庁の税務運営方針には「反面調査は客観的にみてやむを得ないと認められる場合に限って行うこととする」旨の記述があります。そこで、もし税務調査が入ったときは、取引先に迷惑がかかるため反面調査はなるべくしないように調査官にお願いしましょう。

それでも反面調査が行われることがありますので、大事な取引先には「今、税務調査を受けているので、もしかしたらそちらにも確認の問い合わせがあるかもしれない」程度のことを話しておいた方がいいかもしれません。建設業や不動産業の社長は横のつながりで情報共有をすることが多いそうです。

お話ですがとある市町村から受注した工事が決算日(この会社は3月31日)までに完了しているかどうかで争いとなりました。決算日までに工事が完了していれば売上に計上する必要があります。社長は業務日報を提示して4月に入ってからも引き渡し前の最終チェックを行ったと主張しましたが、この主張は通りませんでした。

調査官は当初から、自治体が発注する工事だから年度をまたぐはずがないという先入観を持っていたようです。結局は反面調査により市町村側の証言が決め手となって売上計上もれで修正申告をすることになりました。相手が役所の場合は反面調査がきわめてやりやすいということです。残念ながらこの会社がこれから役所からの受注をすることはなかなか難しいでしょう。反面調査はよっぽどのことがない限りされませんから、それをされたということは今後はもっとトラブルに巻き込まれる可能性があるためです。


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