税務調査でよく指摘される事項ー役員報酬ー

2020年11月5日

税務調査でよく指摘される事項

今回は大田区の蒲田駅にあるシトラスベル税理士事務所から役員報酬に関しての注意点を解説していきます。税務調査で指摘事項があった場合と関連しますが税務調査ではほぼ必ず役員報酬に関しては税務調査で見られる項目となります。今回は役員報酬の基礎的な知識と税務調査でよくある指摘事項を解説しております。

役員給与には注意

まずは役員給与についての基本的な考え方からお話します。

中小企業では株主と役員が同一になります。法人税法では、同族会社と定義されていますが、大手企業ならあまりない、会社の支配と経営が分離されていない状態がおこります。会社が役員に報酬を支払う場合は、株主総会で支給する報酬の総額の決議を取らなければなりません。支給総額の決議の枠内で、取締役会を開催し個々の役員報酬の額を決め、役員報酬を支払うというのが会社法のルールです。

決議した額を超えて支払った場合、会社法に抵触してしまうので大手企業なら厳しいペナルティが課せられます。中小企業の場合、会社法的なペナルティはともかく税務リスクは回避できません。

決めた枠内を超えて支給してしまった場合、超えて支給した金額が損金の額に算入されないことになるからです。
支給限度額を株主総会議事録で残し、そのうえで取締役会議事録で支給限度額の枠内で各役員に支給されているかを、しっかりチェックしてください。中小企業、特に同族会社では注意すべき論点です。

よくある事例ですが週に1度しか来ない社長の奥様に高額な役員給与を支払っている場合も当然問題になることがあります。

次に支配と経営が分離されていない同族会社で起こりやすいことですが、利益が出そうだから役員給与を増やしたり逆に、利益が少ないので役員給与を減らしたりということを短絡的にしやすい傾向にあります。

いわゆる定期同額給与といわれているものですが、会社の支配と経営が分離していないので利益操作を役員報酬をつかってしているわけです。法人税法ではこれを禁止しており基本的に役員報酬の額を変えるチャンスは定時株主総会直後の年1回のみと考えてください。

役員賞与も注意

役員に賞与を支給したいと考えた場合、定時株主総会から1ヵ月以内に事前に支給する賞与を税務署に届け出る必要があります。
届出どおりに支給すれば、損金の額になりますが、届出額より多かった場合当然、損金の額になりません。
いわゆる事前確定届出給与といわれているものですが、ここにも、期の途中での利益操作には使えないようになっている点に注意してください。

注意したい点として経済的利益が給与に含まれることで、たとえば、次のようなものをいいます。

  • 役員に対しての貸付金を免除した場合は会計的には貸倒損失かもしれませんが役員に対する賞与と認定されます。
  • 役員に対しての貸付金に利息を取らなかった場合は通常取るべき利息の相当額が役員賞与と認定されます。
  • 役員に対して資産の時価より安く、帳簿価額で譲渡した場合は本来の時価と帳簿価額の差額は役員賞与と認定されます。
  • 役員が負担すべき費用を法人が負担していた場合は役員賞与と認定されます。

役員賞与と税務調査で認定されれば、損金の額にならないだけではなく、賞与には源泉徴収が必要になるため、源泉徴収不足分の納税も必要です。
さらに不納付加算税等も課されるので会社としては大きな痛手になるばかりか、役員自身の所得税も生じますから、役員自身も痛手をこうむることになります。役員賞与と認定されると役員報酬として費用の計上は認められず、源泉所得税の納税、役員自身の所得税の納税とダブルパンチ、トリプルパンチとなります。

同族会社では、所有と経営が同一人物のため株主が怖いという概念もありません。株主代表訴訟リスクも基本的には生じません。あたりまえですが会社をつくったのは、自分自身だから会社の金も自分の金だと思う感覚も理解できないわけではありません。むしろ自然な発想かもしれません。逆の場合で会社のお金がなくなったときは社長が手出しをすることが普通です。
しかし、少なくとも会社を作った以上、最低限の会社法等の法律を知っている方が、適正な経営につながるのも事実です。
大手企業が適正な経営ができるのも法律をうまく活用しているからです。そのためには、個人のものと会社のものは、しっかり区別できることが第一歩です。

これが適正にできれば、会社の資産の積み増しも適正に行われ、会社自身が力を身につけはじめ、しっかり独り立ちして強い会社になっていくのです。

みなし役員ってなに??

みなし役員

株式会社の役員は登記しなければいけない項目です。登記されれば、公示されることになりどの会社の役員が誰だかというのは明示されることとなります。しかし法人税法では、登記されてなくても経営に従事していれば、みなし役員という規定を用意しています。

役員給与については細かい規定が多く、経営の重要なポジションにいながらあえて使用人になり租税回避を行うという短絡的な思考になりがちです。

たとえば、仮に役員が不祥事を起こした場合、株主が怖い上場会社であるなら、その役員は辞任させられますが、同族会社であれば自分がつくった会社ですから、会社に居座ることは可能です。しかし法人税法では実質に着目し、みなし役員として役員給与の規定を適用していくのです。

また、土地を売却し多額の利益が生まれたり、保険金が入り多額の利益が生まれたりなどという場合に、社長をを辞任し、退職金を支払うという形で、利益を圧縮するという安易な租税回避もできてしまいますす。
当然、税務もこの点は織り込み済みです。

確かに会計的には、利益に見合う退職金を支給したならば利益の圧縮はできます。
しかし、その代表者がその後も会社の中心人物として居座り、みなしと認定されてしまった場合、支払った退職金が賞与と認定されてしまう可能性があります。
定期同額給与、事前確定届出給与に該当はしないため、支払った金額が損金の額に算入できません。
何年も経営に従事してきて、後継者も育ち、利益が出たことを、きっかけに後継者に後をゆだねるという判断のもと行われていて、株主総会の議事を通し、しっかり金銭を支払っているならば問題にはなりません。
一時的な租税回避のために、隠れてこそこそ経営に携わるぐらいなら、生じた利益をで会社をより大きく発展させることへの関心に向ける方が大切です。


いかがだったでしょうか?

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