税務調査当日から最終日まで

2020年10月22日

税務調査当日から最終日まで

本日も大田区蒲田にあるシトラスベル税理士事務所より税務調査の解説をさせていただきます。今回も前回に引き続き税務署から税務調査の連絡があり準備をしたのちのいよいよ税務調査当日のお話となります。

まずは初日の一日の流れから最終日の流れまでを解説させていただきましたので参考になさってください。通常の社長は早くても3年に1回しか経験しませんが税理士は月に数件をこなすこともありますので慣れていることが多いです。

初日の税務調査

税務調査を受ける社長さんや経理の方はもちろん、慣れていたとしても立ち会う税理士も緊張します。国税OB税理士からうかがうと税務調査官も緊張するそうです。初めて来る場所で、初対面の経営者等と会い、そして帳簿等を閲覧し申告が正しく行われているかチェックするのですから、もしかしたら調査官の方が緊張しているのかもしれません。なかには日本刀を持ち出されたり金槌を振り回された経験があるというまことしやかなベテラン調査官もいらっしゃるそうです。

緊張しているのは同じ人間ですからなるべくリラックスして対応しましょう。

午前中

通常であれば朝10時に始まり昼食で休憩となり、その後16:45ぐらいまでが一般的です。

調査第一日目の最初はビジネスパーソンの儀式である名刺交換から始まります。このときに調査官は、身分証明書を掲示して税務調査官であることを示してきますので確認してください。

そして、いよいよ調査官との会話が始まります。なんども税務調査を受けている会社であっても調査官はまずは会社の概要を聞いてきます。

社長はまず概要から説明をしてください。パンフレットやホームページ等があればそれをもとに説明するのもよいかもしれません。また会社の概要だけではなく成り立ちから過去・現在の状況・今後の経営方針や、業界の動向、さらに社長の生い立ちなども幅広く全体的に聞くのと同時に社長の人柄なども観察してきますのでなるべくゆっくり、丁寧に説明するよう心がけましょう。なかには大学の出身学部もきかれることがあります。

(おそらくですが)学部などを聞いたとしてもなんの関係もなく中には答えたくないと感じる方もいらっしゃいますが、世間話をして調査官も円滑に進むようコミュニケーションをする一貫ですのであきらかに関係のないことは気軽に教えてもよいでしょう。しかし注意をしてほしいのはこの時を除き無駄な質問はないと心がけてください。もしかしたらこれらの返答で調査官も厳しく望むべきか判断する材料としているかもしれません。

注意したいのは、たとえば業界の動向や自社の景気がよい様な話をしているのに会社の決算書は赤字だったりすると、矛盾がでることであらぬ疑念を抱かれることもあるので、慎重に説明してください。

ここで適当な説明や、紳士的でない態度で説明しますと心証を悪くしますので気をつけてください。

大事なことは唯一つです、嘘をついたり大げさにしたり逆に小さくみせることはせず、ありのままの姿をそのまま説明することです。またわからないことや忘れてしまったことはそのまま伝えてください、たしかこうだったとか脚色等するとどこかで矛盾点がでたときに不利となってしまいます。

調査官はもちろん税理士であっても人間は忘れる生き物であることはわかっていますしましてや社長はいくつものタスクをこなしているのでわからなくなることはよくあることです。大事なことなので繰り返しますが大きく見せたり、小さくみせたりせずありのままを説明してください。

なお、調査官のタイプは様々ですが社長や顧問税理士との会話の中や、会社の中、工場内や社員の態度や目線、机の上のメモなど、いたる所を観察し全体を把握したうえで帳簿等の閲覧に入ります。カレンダーに〇〇銀行とあるのに通帳にその銀行の名前がなかったら調べてみたい気持ちになるでしょう。

お昼

きになるところで昼食ですが、調査官は調査先の会社では食べません。そのため気を使って調査官の昼食を準備する必要はありません。

現在では国家公務員の利益供与になりかねないということで調査先の企業や税理士との飲食は厳しく制限されています。建前上勧めることはよいですが無理に勧めることはやめましょう。調査官にお出しするものはお茶のみというのが一般的です。

私自身も初めてみたときはびっくりしましたがふせんですら使いまわしをして節約をします。調査の都合上かなり多くのふせんを使う印象がありますがなかには我らの血税をつかってふせんなどの事務用品を購入しているのだからとクレームをうけ大切につかっているのかもしれません。

午後

そして、午後から最終日にかけて総勘定元帳を見ながら本格的な調査に入っていきます。特に売上や仕入の数字には十分な時間を割いて調査をいたしますので要求された資料は、段取りよく調査官に出せるようにしておきます。また、請求書や議事録などを要求された場合はファイルごと渡すのではなく、要求された部分をファイルからはずして渡してください。

要求された資料は、コピーを頼まれますが基本的には、協力しましょう。コピーの量が膨大になるような場合はコピー代の請求をすることもできますが、通常はコピー代や事務用品の貸出しも応じて調査官になるべく協力的な態度でいたほうが今後の税務署との良い関係を築くことにもなります。

実は税務調査の記録は代々と税務署内部の資料として引き継がれます。引き継がれる記録は、申告漏れなどの事実だけでなく社長や経理担当者の態度などの調査官の心情的なことも記録として引き継がれるそうですので、なるべくよい印象で調査を終了させることも重要です。

調査官の人柄

税務調査当日から最終日まで

調査官も人間ですから様々な性格の方がいます。
しかし、調査官も国家公務員である以上、納税者に対しては親切に対応しなければならないという原則がありますので物腰のやさしい調査官が多いのは事実です。

特に昔ながらの人ですが、ずるをしているという決めつけのもとごく少数威圧的な態度で対応してくる調査官もいますが、萎縮してはいけません。態度が悪い調査官には、そのような態度で納税者に接するのは、公務員として好ましくないという感じで主張するべきだと思います。

それでも、態度が変わらない場合は、上長や税務署にその旨を伝え、担当者の変更や調査を中断する交渉も必要でしょう。このときに調査をやめてくれというのではなくビジネスパーソンとして信頼関係を築けない旨をキチンと主張してください。

税務調査官のあるべきすがたは、納税者や顧問税理士の立場も考え、丁寧な言葉使いで、世間話も交えながら話しやすい雰囲気を作り、円滑に調査を進めていきますので社長や、経理担当者もリラックスした状態で判応できます。しかし、このような調査官の場合こそ税理士や社長にとっては手強い存在です。丁寧で相手の立場がわかる税務調査官はつまりはベテランということです。または威圧的な態度だと情報収集がうまくできないことを知っている税務調査官ということです。

つい余計なことまで喋ってしまい、ちょっとした失言からするどい分析をしてくる場合もありますので、丁寧で親しみやすい税務調査官だからといって余計なことを話すことはやめたほうが良いでしょう。質問や回答は経験を積んだ顧問税理士にしてもらうのが無難です。

上述したように税務調査では痛いとこを指摘されても焦ってはいけません。その場では嘘やあいまいな返答はしては絶対にいけません、調べて確認してから後日回答する形で対応すれば問題ありません。

東京税理士会の税理士への調査結果によりますと、税務調査官の態度について悪いと解答した理由としては、法令解釈に無理がある、知識不足、納税者や税理士の話を聞かない、効率が悪く長期間の調査になった、ビジネスマナー(高圧的態度・言葉づかい・挨拶など)に欠けるという回答でした。
逆に調査官の態度が良かったと回答した理由としては、調査の効率が良かった、法令に則した指摘で納得できたなどです。

最近では、態度が悪い調査官はごく少数ですので、安心して税務調査に臨んでください。

税務調査最終日

税務調査の最終日については、前日に引き続き帳簿等のチェックを調査官が行いますが、15:00~15:30ぐらいから最終段階に入ります。ある程度、帳簿のチェックが終わっている場合は、調査官から疑問点や調査官が考える適正な処理、今後の改善点や不足資料の要求の説明があります。ただし、この段階で指摘事項があっても、まだ追徴課税させるのが決まったわけではありません。

注意したいのは、特に指摘事項もなく実地調査の終了が近づいてくると社長や経理担当者も気が緩んでしまうことがありますが最後まで気を抜かずに対応してください。

税務調査官の作戦ということもあるのかもしれませんが実地調査の最終段階に経理ミスや消費税の課税区分の間違いが発見されるケースもあります。

気が緩んで余計な事を言ってしまい経費として処理していたものが否認されてしまうこともありますので注意してください。たとえば税務調査官が税務調査はあと30分ぐらいで終わりますからねと話した後、社長が気が緩んで、初めての税務調査だったので緊張しちゃいました。明日は土曜日なのでゴルフにでもいってゆっくりしてきますよ。と話したとします。

私が税務調査官だとしたら、帳簿に私的と思われるゴルフのプレー代などが会社の経費になっていないかチェックするでしょう。

最後の30分が実は実地調査においてもっとも注意するべき時間です。
場合によってですが現地調査が詰めきれてない場合は、もう一日調査したいと要望がある場合もあります。

仕事の都合などで、税務調査への対応している暇がない場合は素直に無理とつたえましょう。しかし単に拒否するのではなく書類を預けるなどして良い関係を継続してください。税務調査に協力したいけどどうしても仕事が忙しく無理です、しかしみたい資料はお渡しします等伝えると良いと思います。税務調査官もただでさえ丸々1日~3日間拘束させるわけですから無理にとはいわないでしょう。また、こういったときに税務調査で良い関係を築けないと不利になりますから、やはり良い関係にしておくにこしたことはないでしょう。
もちろん時間が拘束されても問題なければ快くお受けしましょう。

後日、貸し出した書類が仕事で必要になった場合は、連絡すればすぐに返却してくれます。
ちなみに、あくまでも書類の貸し出しは、税務調査を円滑に進めるために協力するという形で貸し出すことになりますので調査に関係ない不要な資料を渡す必要はないでしょう。返却の際は、貸し出し時に調査官から渡された預り証を返還してください。

ようやく税務調査が終わりましたら調査官は実施調査で入手した資料を基に1週間から2週間かけて調査をどのようにするか決定します。もちろんここで宿題となっているような事柄があれば結論は伸びていきます。税務調査中にでてきた疑問点がすべて解決して調査の結果が固ったら顧問税理士や社長に電話があり、調査の最終段階に入ります。


いかがだったでしょうか?シトラスベル税理士事務所は東京都大田区蒲田にある税理士事務所ですがご要望があれば全国出張いたします、特に仮想通貨等の税務調査はもっとも得意としております。