税務調査で指摘されやすい事項

2020年11月2日

税務調査で指摘されやすい事項

本日も大田区蒲田にあるシトラスベル税理士事務所より税務調査でよく指摘をうけてしまう事柄の解説をさせていただきます。今回は特に法人税に関する事項でそもそも収益とはなにか?収益と原価の対応、売上の計上もれを防ぐ方法など実務的な点から解説しております。とくに無償でサービスをしたり商品を売上たときの取り扱いは税務調査でも頻出論点ですので確認しておきましょう。

収益ってなに??

法人税法で決められている主な収益とは次のものです。

  • 資産の販売
  • 有償による資産の譲渡
  • 有償による役務の提供
  • 無償による資産の譲受

基本的には法人税法ではおおまかな規定となり中身は会計に依存しますが、気をつけるべきものは次のものが収益の額に含まれるということです。

  • 無償による資産の譲渡
  • 無償による役務の提供

簡単にいえば、ただでものをあげたり、ただで働いたりすると、法人税法では収益の額になるということです。実務上は、寄附金課税、給与課税となるケースが多いです。

普通の感覚では、なぜそうなるかわからないかもしれません。

通常では、ものをもらった方は自分にとって得をしたので税金を支払うことは理解できたしても、ものをあげた方が税金を支払うことはなかなか理解できない部分だと思います。

この論点を細かく解説すると本を一冊書けるような内容となってしまいますのでかんたんに解説すると会社は事業を目的として活動している会社ですのでその活動のすべては営利を目的としているという前提があります。
その前提では無償でサービスや商品を渡すことはありえず時価ですべておこなったとみなします。
時価で売上をたてて、すぐさま受け取るべきお金を贈与したという2段階で考えるので、無償による譲渡や役務提供も収益となるのです。

原価と売上の対応が大事

売上と原価が個別に対応しているという考え方は非常に重要です。

簡単な例でお話しします。
100,000円のものを10個仕入れ1,000,000円使いました。

1個150,000円で、6個売ったので、お金は、900,000円入ってきました。確かに、お金の面だけ見れば、100,000円減っています。
しかし、収益900,000円に対応する原価は、あくまで売れた6個に対応する600,000円であるため、300,000円の粗利益が算出されることになります。収益に対応していない4個分の400,000円は、棚卸資産として資産計上していく必要があります。

税務調査で売上や原価の調査をする場合、たとえば3月決算の会社であるならば、3月末からさかのぼって、仕入元帳をチェックし、売上と対応しているかを照らし合わせます。売上と対応していないものは、すべて損金にならないため、原価にしていたなら税務調査で否認されることになります。

これは会計を学ばないと理解しにくい事柄です。
なぜお金を払って商品を買ったのに経費にならないんだ、おかしいじゃないかと思うかもしれません。

しかし売り上げと対応する原価以外の残っている商品は資産として残っている状態になるのでそれは資産として計上するべきもので経費として計上するべきものではないというルールとなっているのです。

売上の計上もれを防ぐ方法

売上の計上もれ

売上は税務調査では最も確認をされ、時間も十分とる項目のひとつです。

収益を計上する仕組みの中に、従業員が不正をおこさない環境や二重請求、請求もれなどのトラブルを避ける環境を整え、健全な経営体制を整備していくことが大切です。

たとえば、あなたが飲食店を経営していたとします。あなたは、普段店で働いていません。従業貝が、友人を招いて店のものを食べさせ請求しなかったとします。

どうすればこのような不正をさけられるでしょうか。人間性を信じるという答えもあるかもしれませんが、伝票に連番を振っていれば、かなりの確率で避けられるはずです。

従業員の不正を防止するためにはあなたがチェックするところですし簡単なチェック方法かもしれません。このようなチェックするためのノウハウを、今度は、あなたの不正をチェックするという観点で、国税庁は大量に保持しています。

一般的な取引に、話を移すと、さきほどの伝票に代わるものが、見積もり書→契約書→納品書→詰求書→領収書です。見積書とは、見込客に対し、大まかな見積もりを示すもの、契約書とは、口頭ではなく書類でしっかり約束事を交わすもの、納品書とは、注文されたものをしっかり届けたことを示すもの、請求書とは、顧客に代金の支払いを請求するもの、領収書とは、金銭を受け取ったことを証明するものです。

税務調査官は税務調査の時間中、これらの書類をしっかり調べます。見積書や契約書があるにもかかわらず、収益が計上されていなかった場合、なにかあるんじゃないかと感じるものです。

また、連番等で適正な管理番号が付されていなければ、従業員の不正をチェックできないばかりか、これまた税務調査で怪しまれることにもなります。
企業の業務形態を把握し、上記の書類を確認していけば、おのずと間違いなり不正が見つかります。
中小企業では、上記書類のどこかを軽視していることによって、税務調査での指摘につながることが多いのです。
しかし、裏を返せば、税務調査での指摘は、企業として正しい形に導いてくれ、企業内の不正の防止につながることも多々あるのです。

寄付をしたときの注意点

法人税法はでは寄附金課税を規定しています。

利益がかなり出ていて無駄な税金を払うくらいだったら、寄付してしまおうという考えを持たせないために寄附金課税の規定はあるのかもしれません。

世のため人のためになる公益性の高い一定の法人等への寄附は、基本的に経費の額に算入されますので問題ありません。

しかし、寄附金が問題になるのは関連会社や身内、友達への寄付なのです。
子供が困っていたら親が助けるし物をあげたらもらったほうが感謝するというのが通常の感覚だと思いまが、寄付金課税はこの概念があてはまりません。

寄附金課税は、簡単にいえば、お金を貸すなら利息をとりなさい、とらないならとったという前提での収益を計上しなさいという考え方です。
法人は、利益を生むことを前提としていますので資金があるのなら商品や固定資産、人材に投入して収益を生むことを目的としているのです。
もっている資金が税金としてなくなってしまうのなら、その分を寄付して利益をその人に与えてしまうという考えが出てくるのも当然かもしれません。
子会社や関連会社にお金を貸すという状況がおきたら、寄附金課税をうけないために、以下のものを作成し、第3者への金銭の貸付をするという前提で、融資の実行をしなければなりません。

  1. 金銭消費貸借契約書を作成
  2. 取締役会の議事録を作成
  3. 利率を適正に設定
  4. 利息や返済表を作成

寄付先が関連会社ではない取引先にも注意が必要です。支払いの悪い取引先がいて、なかなか代金を支払わなかったり、支払いを催促すれば、そのたびに値引きを要求されたりという状況がおこり、値引きした額をしかたなく貸倒損失に計上した場合に、この貸倒損失が、寄附金と認定されることがあります。

貸倒損失となる場合は、下記の要件を満たさないと認められず、厳しいものとなっています。

  1. 取引先が債務超過の状態が相当期間継続
  2. 金銭債権の弁済を受けることができないと認められる
  3. 書面で債務免除

ただし、会社を経営していく以上、債権管理能力、債権回収能力を強化していくことは重要事項です。
債権を安易に放棄することのほうが間違いなのかもしれません。

支払いの悪い取引先に、債権管理能力や債権回収能力が高い会社ならば、法的な処理をしっかり行い、たとえ支払いの悪い取引先が相手でも、優先順位はあげて支払わせることを実践しています。


税務調査でよく指摘される事項の一つをご紹介しました。JR蒲田駅、東急池上線蒲田駅、東急多摩川線蒲田駅、京急蒲田駅に近いシトラスベル税理士事務所では税務調査の連絡があったときのご相談を承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。