税務調査でよく指摘される事項ー給与・交際費ー

2020年11月9日

税務調査でよく指摘される事項ー給与・交際費ー

本日も大田区の蒲田にあるシトラスベル税理士事務所から税務調査でよく指摘される事項について解説をさせていただきます。

前回は役員報酬のテーマでしたが今回は従業員にテーマを絞ってよく指摘される事項を解説しました。役員報酬を含め給与関係は租税回避によく使われることもあり税務調査では厳しくチェックされます、また交際費に関しても解説をしております。広告宣伝費との違いや情報提供料の取り扱い、福利厚生費との関係の基礎的な知識まで解説しております。

従業員の給与について

典型的な仮装隠蔽行為の一つが架空人件費を計上して、税金を逃れることです。
このように安易な租税回避ができるほど税務調査官は甘くありません。
見破る方法は難しいものではなく、たとえばタイムカドカードできちんと労務管理しているか、従業員名簿があるか、雇用契約書があるか、履歴書があるか、所得税の源泉徴収を適切に処理しているかどうか、などで、すぐにわかってしまうものです。

住民税との整合性や預金の入出金まで調査ができるので仮装隠蔽していると必ずどこかでほころびがでてきます。決して安易に考えないようにして実行しないでください。

従業員給与で、もうひとつ気をつけなければならないのが特殊関係人に対する給与です。
特殊関係使用人とは、その名のとおり、役員と特殊関係にある使用人をいいます。
具体的には、役員の親族、事実上婚姻関係と同様の関係にある者、生計の支援を受けている者等を指します。

たとえば、社長の奥様で従業員として会社に勤務していたとします。毎日きっちり、会社に勤務して、周りの他の使用人の業務と比較して、適正な給与を支払っているならば問題はありません。
しかし、会社には週1度しか来ないで、周りの使用人給与と比較して高額な場合、適正額との差額は損金の額に算入きれないことになります。
特殊技術があれば別ですが他の従業員や同業他社比較して能力より大きな金額の給与が支給されている場合は税務調査では認められないと考えてください。

会計監査を受けているようなしっかりした企業は、給与体系もしっかりしていて、使用人に対して、しっかり給与体系を開示しています。ここが希薄な同族会社に注意が必要な論点です。
所得税は累進税率を採用しているため、給与を一人でもらうよりも複数人で分けた方がトタルな税率が下がる可能性があります。家族間やいわゆる愛人等に給与という形で支払えば所得の分散をすることができてしまいます。この点を利用した租税回避を税務調査官は認めないと考える方がよいでしょう。

また、当然身内に高額を払うという考えは、家族単位でみれば同じお財布となるわけですし適正な給与体系とはいえません。他の使用人とのモチベーションにもかかわります。努力をして、結果を出し続けている人聞をしっかり評価できる給与体系がないと、会社の発展はできません。
企業の何よりも大切な財産は人材だという意識をしっかり持つことのほうが結果、得なのです。参考までに、内助の功を主張して、不相当に高額な給与を支給していたことに対し、一切認めてもらえなかった例もあります。

使用人兼務役員

使用人兼務役員とは、常時使用人として職務に従事している取締役登記されている人のことです。
取締役営業部長、取締役総務部長、取締役システム部長と一般的にいわれている方をイメージしていただければよいと思います。

使用人兼務役員は、使用人としての性格を色濃く持っているため、使用人分への給与に対して役員給与の規定の適用を受けません。

しかし、ここに注意すべき点があります。
使用人兼務役員のうち、筆頭株主の身内であって、会社の株式を5%超保有していた場合、たとえその方が、常時使用人の職務を遂行していたとしても使用人部分を認めない使用人兼務役員の制限規定というものがあります。

事業承継の途中の会社や、身内を役員登記した同族会社は、特に注意しなければならない論点です。
実質的に使用人だと主張しても、役員登記した以上、給与の支給方法については、しっかり検討しなければいけないことになります。

同族会社である以上、たとえば、会社法で規定されている役員給与の総額の決定や個々の支給額を決める取締役会においても、使用人兼務役貝の制限を受ける使用人兼務役員については、純粋な役員として取り扱うべきでしょう。

使用人兼務役員について、もうひとつ注意すべき点が、使用人賞与についての取扱いです。
使用人兼務役員の使用人賞与は損金の額に算入されます。ただし、他の使用人と同一時期に支給することが条件となっています。

通常、賞与の支給は、会社にとって楽な資金繰りではありませんし場合によっては、資金調達をして支払うことも考えられます。
資金調達を少しでも楽にするために、使用人兼務役員の賞与の支給時期をずらすことが考えられますがそれは一切認められていない規定なのです。

使用人兼務役員は、常時使用人として職務に従事するということをしっかり念頭に置いていれば、使用人としての賞与と同額にするという発想をしっかり身につけてください。

あと参考までに、小さな会社であれば、代表取締役といえども、使用人と同じような仕事をしているかもしれません。
そうであったとしても代表取締役は使用人兼務役員にはなれません。いざというときは代表取締役の責任から逃れることができないという考え方からくるものです。

人件費関係では適正に管理された書類が大事になります。一般的な資料は税務調査までに確認しておくことにて解説しておりますので一読しておいてください。

交際費に関しての注意点

交際費に関しての注意点

まず知っておいてほしいことは、法人税法が規定する交際費の範囲は一般的な感覚よりかなり広いということです。たとえば、接待交際を行った帰りのタクシ一代は普通の感覚なら旅費交通費になるかもしれませんが、法人税法上は接待交際に関係する経費はすべて交際費として認識していく必要があります。また、接待の相手は基本、得意先というイメージがあるかもしれませんが直接事業に取引関係のある者のみではなく、利害に関係がある者および役員、従業員、株主等も含まれます。

交際費から除かれるものとして、カレンダ一、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいなどが、規定に列挙されています。
ここを、ただ安いものなら大丈夫と安易に感じてはいけません。ここに列挙されているものは、会社の名前を印字できるものなのです。お中元やお歳暮で贈れるような一般的にみて妥当だろう経費ですね。
いうなれば、広告宣伝費なら少額物品贈答費用を交際費から除いても構わないというものです。

また、交際費から除かれるものとして、1人あたり5,000円以下の飲食費があります。この適用を受けるためには、次の事項を記載した書類を保存しておく必要があります。また社内のみの社内飲食には、この特例はないことも注意してください。

  1. その飲食等のあった年月日
  2. その飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
  3. その飲食等に参加した者の数
  4. その費用の金額並びにその飲食店、料理店等の名称およびその所在地
  5. その他参考となるべき事項

広告宣伝費と交際費の違いも税務調査ではよく問題になります。接待や供応や贈答が、一般消費者であれば広告宣伝費に、事業関係者のような一般消費者でなければ交際費になります。
現状、取引先でなくても、自社の製品の購入可能性がある業者に対しては、広告宣伝費にならないと考えると良いかもしれません。とはいえ身内に対する接待、贈答でなく年間800万円に達しなければ厳密に考えなくとも構いません。

どんな経費が交際費になるの?

売上割戻しと処理していても交際費と認定される場合があります。経理がしっかりしている会社であれば得意先である事業者に対して、しっかりとした基準を持って売上割戻しを金銭で実施しています。得意先である事業者は、仕入割戻しの処理を行い費用のマイナス処理を実施するということをしっかり認識してください。事業者でない相手に、明確な基準も持たず売上割戻しを実施したり、金銭でなく、相手に仕訳のおこらない旅行や接待をした場合には、交際費に該当してしまいます。

情報提供料と処理していても交際費と認定される場合があります。
情報化が大事な時代ですから、情報サービス業に支払う情報提供料が問題になることはありませんが、情報提供を業としていない個人に情報提供料を支払った場合、交際費になると考えた方がよいでしょう。

しかし、下記の要件を満たせば交際費になりません。

  1. その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること
  2. 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること
  3. その交付した金品の価格がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること

事業者ではない、個人と契約書を結ぶことは事実上難しいかもしれません。
また、情報提供料というよりか、紹介料という形でチップのような位置付けのものは、情報提供科にならないと考えるべきです。
従業員への支出も交際費の対象になることがありますし、さらに交際費よりさらに厳しい給与課税の対象になることもあります。

創立記念日に際し、従業員におおむね一律に社内において、供与される通常の飲食に要する費用は福利厚生費になります。

慶弔禍福規定基準に従って支給される金品も福利厚生費になります。
裏を返せば、特定の従業員のみを対象にしたものや、福利厚生費規程や慶弔禍福規程がない場合、交際費と認定されることになります。常時給付される昼食等の費用や会社の業務のために使用したことが明らかでない費用などは、福利厚生費にならないのはいうまでもなく、交際費よりさらに厳しい給与課税の対象になってしまうので注意が必要です。


いかがだったでしょうか?
大田区の蒲田にあるシトラスベル税理士事務所では税務調査のご相談をおこなっておりますのでお気軽にお問い合わせください。

またシトラスベル税理士事務所は東京都大田区蒲田にある税理士事務所ですがご要望があれば全国出張いたします、特に仮想通貨等の税務調査はもっとも得意としております。
仮想通貨のサイトは大見税理士事務所となります。